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株式会社オリィ研究所

1 行サマリー

分身ロボット「OriHime」を軸とした障害者向け遠隔コミュニケーション企業(従業員約 50 名・非上場)で、意思伝達装置への外部 TTS 依存が明確な B 優先案件。

事業構造と TTS 需要

主力サービス

プロダクト 概要 TTS 接点
OriHime(分身ロボット) 重度障害・入院患者が遠隔操作し自宅から社会参加 音声はパイロット(操縦者)自身の声をリアルタイム中継
OriHime eye+Switch 視線入力による意思伝達装置(ALS・筋ジス等向け) 文字入力 → 合成音声読み上げが中核機能
OriHime-D 120cm 型業務用アバターロボット(カフェ・案内業務) パイロット生声 + 将来的な多言語 TTS 需要あり
分身ロボットカフェ DAWN 東京・日本橋の常設カフェ(パイロット 60 名以上) 接客案内で多言語 TTS の潜在需要
FLEMEE / Ory Bridge 重度障害者向けテレワーク就労支援 就労補助での TTS 活用余地

TTS が事業核である理由

OriHime eye+Switch は「視線で文字を入力し、合成音声で発話する」ことが存在意義の中心である。ALS・筋萎縮性側索硬化症をはじめとする進行性疾患で発声能力を失った利用者にとって、TTS の自然さ・表現力・本人声の再現精度は医療品質に直結する。

新規需要ポイント

  • 海外展開(2025 年〜): デンマーク・オーフスへの初の海外カフェ展開を機に国際化チームを設立。英語・デンマーク語など多言語 TTS の必要性が急上昇している。
  • OriHime ver.2023: デジタルマイクアレイ搭載・音量 2.5 倍の新モデルが登場。音声品質向上への投資意欲が確認される。
  • カフェ接客の多言語対応: 外国人観光客増加に伴い、パイロットが英語を習得するケースも報告されており、リアルタイム TTS 変換・翻訳需要が顕在化しつつある。

現在の TTS 状況

採用済み TTS サービス(OriHime eye+Switch)

サービス 提供元 特徴 接続形態
コエステーション™ 東芝デジタルソリューションズ 本人声クローン・感情制御対応 クラウド(要インターネット)
マイボイス 非公開(福祉向け専門) 本人声 → オフライン動作 デバイス内
ボイスター 非公開 本人声録音型 デバイス内

ALS SAVE VOICE プロジェクト(2019 年〜): コエステーション × OriHime eye の統合で「視線入力 × 自分の声での合成発話」を実現。クラウドファンディングで 342 万円を調達しサービス化。

依存度・置き換え障壁

  • 東芝デジタルソリューションズとは 2019 年以降の長期パートナーシップがある。完全な置き換えより「補完・並走」アプローチが現実的。
  • マイボイス・ボイスターはオフライン動作が必須の医療・福祉用途向けであり、オンデバイス TTS のニーズが高い。
  • 海外展開・多言語対応領域は既存パートナーがカバーできておらず、新規 TTS ソリューションの参入余地が大きい。

※上記サービス情報は公開プレスリリース・公式サポートページを元に当方整理。

購買仮説

なぜ買いそうか

  1. 多言語ニーズの急浮上: デンマーク展開(2025 年 4 月〜)で英語・デンマーク語の音声が必要になった。既存の国内 TTS パートナーでは対応困難。piper-plus は 6 言語(JA/EN/ZH/ES/FR/PT)をオンデバイスでカバーし、コスト・プライバシー両面で優位。
  2. オンデバイス TTS の価値: ALS 患者向けデバイスはインターネット接続断時でも動作する必要がある(病院内 Wi-Fi 制限・通信障害時のリスク)。マイボイスがオフライン対応しているのもその理由。next-gen TTS の zero-shot + オンデバイス展開は強力なバリュープロポジション。
  3. 本人声クローンの品質向上: コエステーションは数分の録音で声を再現するが、技術進化余地が大きい。zero-shot voice cloning 対応の次世代 TTS は品質・感情表現で差別化できる。
  4. IoT / 組み込みニーズ: OriHime-D はロボット本体(ROS 相当)に組み込まれた通信システムを使用。将来的に本体側への TTS 組み込みを検討する可能性がある。

想定決裁者

  • 技術決裁: 筒山雅彦 CEO(事業・財務)または共同創業者 CTO 椎葉武史
  • 製品責任: 吉藤健太朗 CVO(プロダクト哲学・福祉 UX 視点)
  • 予算サイクル: 非上場スタートアップのため期末予算制約は小さいが、VC・NTT・川田テクノロジーズを株主に持ち、社会的インパクト・技術的優位性を重視する意思決定文化

想定 PoC 予算 ※当方推定

従業員 50 名規模・スタートアップの IT 投資規模と福祉領域の補助金活用実績から、初期 PoC 予算は 50 万〜200 万円程度と推定。厚生労働省・総務省の福祉テクノロジー補助を活用できる場合は上振れの可能性あり。

アプローチ戦略

piper-plus か next-gen か

next-gen TTS 一本で提案を推奨。理由:

  • 医療・福祉領域は商用品質の担保が必須であり、OSS である piper-plus をそのまま運用するには内部エンジニアリングリソースが必要(50 名規模では難しい)。
  • 一方 next-gen TTS(closed・zero-shot・最新アーキテクチャ)はターンキー提供が可能で、オリィ研究所の「外部 TTS をパートナーとして採用する」既存行動様式に合致する。
  • ただし提案のドアオープナーとして「piper-plus のオープンソース実績(uPiper)」を信頼証明に使うのは有効。

アプローチ部門

  1. 一次アプローチ: 「協業・OriHime-D などのお問い合わせ」フォーム(https://orylab.com/contact/)から技術パートナーシップを打診
  2. 二次アプローチ: 吉藤健太朗 CVO の登壇イベント(IVS・SusHi Tech Tokyo・WIRED Healthcare など)で直接アクセス
  3. 三次アプローチ: NTT コネクション経由(NTT は筆頭株主かつ ALS 音声合成プロジェクトでも協業実績あり)

提案文面キーフレーズ案

件名: OriHime の多言語対応・海外展開向け次世代音声合成 PoC のご提案

デンマーク展開を機に、御社の OriHime が対応する言語の幅を広げるため、
オンデバイス動作かつ zero-shot 声クローンに対応した次世代 TTS ソリューションを
ご紹介したくご連絡いたします。

現行の「コエステーション連携」に並行して、英語・欧州言語をオフラインで合成できる
エンジンをご提供可能です。ALS 利用者の本人声再現精度の向上も期待できます。

まずは 30 分のデモをご覧いただければ幸いです。

関連プロダクト・採用事例

音声・対話関連プロダクト

  • OriHime eye+Switch: 東芝デジタルソリューションズのコエステーションと連携し、ALS 患者が視線で文字入力 → 本人声合成で発話(2019 年サービス開始)
  • ALS SAVE VOICE プロジェクト: WITH ALS・東芝デジタルソリューションズ・オリィ研究所の三者協業。クラウドファンディングで 342 万円調達(2019 年)
  • NTT との音声合成研究: NTT はオリィ研究所の筆頭株主(500 万円ラウンド)であり、NTT 人間情報研究所が ALS 患者向け声再現技術(数分録音から再構築)を研究中。統合の可能性あり

技術スタック(推定)

  • ロボット制御: 独自通信プロトコル(リアルタイム映像・音声伝送、Opus コーデック使用)
  • 入力デバイス: 視線追跡カメラ(専用ハードウェア)
  • TTS: 外部 API 連携(コエステーション・クラウド、マイボイス・ローカル)
  • プラットフォーム: スマートフォン(iOS/Android)+ PC ブラウザ

登壇・メディア露出

  • WIPO マガジン掲載(国際知財機関・英語)
  • World Economic Forum 掲載(ダボス会議コミュニティ)
  • Ars Electronica 登壇(欧州デジタルアート系イベント)
  • IVS・SusHi Tech Tokyo 等の国内スタートアップカンファレンス

リスク・注意点

競合・パートナーとの関係

  • 東芝デジタルソリューションズ(コエステーション): 既存パートナー。完全置き換えは関係毀損リスクあり。「補完ソリューション」として差別化が必要。
  • NTT: 筆頭株主。NTT グループが独自の音声合成技術(Saxe、FutureVoice Crayon)を開発中であり、NTT 側からの「内製化」圧力が将来高まる可能性がある。

内製化・技術方針

  • 従業員 50 名規模では本格的な AI 音声内製化は現実的でないが、NTT という巨大パートナーを持つため間接的な内製化リスクが存在する。
  • エンジニア採用ページでは機械学習・VR 技術への挑戦を謳っており、技術志向は高い。PoC 受け入れ素地はあるが意思決定は慎重。

予算・財務リスク

  • 非上場スタートアップ。売上規模は非公開だが OriHime ver.2023 の販売(39.8 万円/台 + 月額課金)、カフェ運営、FLEMEE 就労支援が収益源。
  • 最後に確認できる資金調達は 2020 年の 5 億円ラウンド。2022 年以降の追加調達情報は非公開。資金余力は不透明。

福祉・医療コンプライアンス

  • 意思伝達装置は厚生労働省の「日常生活用具給付等事業」対象品であり、認定外の TTS 置き換えには申請・審査が必要。PoC フェーズは認定外製品の並行試験として実施する交渉が必要。
  • ALS 患者の本人声データを扱うため、個人情報保護・医療データ取り扱いに関する規制対応が必須。

連絡先候補

経路 詳細
公式問い合わせフォーム https://orylab.com/contact/ (協業・OriHime-D 等の相談受付)
サポート・見積もり https://orylab.com/support/
電話 03-6824-0412(平日 10:00〜17:00)
メール helpdesk@orylab.com
イベント IVS(京都)/ SusHi Tech Tokyo / WIRED 系カンファレンス
投資家経路 NTT 共同研究・川田テクノロジーズ経由での紹介

推奨アクション: 公式問い合わせフォームから「海外展開における多言語 TTS PoC 提案」として初期打診 → CTO または CVO との技術ミーティング設定を目標とする。NTT コネクションを持つ場合は株主経由の紹介が最短経路。