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株式会社コーエーテクモホールディングス

1 行サマリー

東証プライム上場(3635)の大手ゲームメーカー。三國志・無双・アトリエ等の IP で世界展開し、大量キャラクター音声と中国市場での多言語対応という二重の TTS 需要を潜在的に抱える。

事業構造と TTS 需要

コーエーテクモホールディングスは、傘下のコーエーテクモゲームスを中心にコンシューマ・PC・モバイルゲームを世界 100 か国以上に展開する大手ゲームグループ。2026 年 3 月期の連結売上高は 884 億円(前期比 +6.3%)、純利益・経常利益ともに過去最高を更新した(経常利益 570 億円)。国際売上比率は 40.8%(2025 年 3 月期)と海外展開が収益の柱となっている。

主力シリーズと TTS 需要の構造:

シリーズ 想定 TTS 需要
真・三國無双 / Dynasty Warriors 武将キャラクター(90 名超)の多言語ボイス収録コスト削減、中国語ローカライゼーション
信長の野望 / 三國志(歴史 SLG) 武将 AI の個性表現ボイス、ナレーション多言語対応
ライザのアトリエシリーズ キャラクターボイス更新コスト削減(アップデート・DLC 追加分)
モバイルタイトル(三國志 覇道等) プッシュ通知・UI ボイス、イベント音声の迅速な多言語展開
NPC・雑兵音声 無双シリーズ特有の「無数の雑兵」向け多様な掛け声・セリフ生成

特に重要な需要ポイント: - 真・三國無双 ORIGINS(2025 年 1 月発売)は日中英の多言語音声対応が既存パターン。キャラクター数が多く、DLC・シーズンパス追加時の収録コストが積み上がる - 三國志 8 REMAKE では中国語音声を初期省略し後から追加した経緯があり、多言語ボイス実装コスト課題が経営上の痛点として顕在化している - 中国市場では「新三國志」等の正式ライセンスモバイルゲームを展開しており、中国語ネイティブ音声の需要が継続的に発生。天津・北京に現地開発拠点を保有 - グローバル展開を掲げる経営方針(売上高 1,000 億円目標)のもと、ローカライゼーションコスト圧縮は経営課題と考えられる - 自社ゲームエンジン KATANA ENGINE を PS5・Switch・Steam・スマホへのマルチプラットフォーム展開に活用しており、オンデバイス TTS との技術的親和性がある - グループ子会社「コーエーテクモクオリティアシュアランス」が海外向け音声収録業務を担っており、組織として音声製作の専門部門が存在する

現在の TTS 状況

既知情報: - 公式には TTS ベンダーとの提携や採用事例は発表されていない - 三國無双シリーズは伝統的に日本人・中国人声優の人間収録を採用。英語版は別途吹き替え声優を起用。ただし三國志 8 REMAKE ではリリース初期に中国語音声が省略され、プレイヤーから批判を受けパッチ(v1.08)で後から追加された経緯があり、多言語ボイス対応コストの課題が表面化している - 2026 年 3 月に SpiralAI(IP 特化型 LLM「Geppetto2」開発社)と戦略的パートナーシップを締結・出資。SpiralAI は音声合成技術「Kotodama」も保有しており、キャラクター音声 AI への関心が伺える - ゲーム AI 分野では歴史 SLG の武将 AI に自社 AI 技術を活用しているが、音声合成 AI の採用は未確認

置き換え障壁: - 既存声優との長期関係・ファンベースの声優指名 → zero-shot voice cloning 利用の場合は声優側の承諾が必要 - IP コンプライアンス意識が高く(SpiralAI との提携理由の一つが「IP 著作権保護」)、技術採用に際して法務・倫理審査が入ると想定される - 内製エンジン(KATANA ENGINE)文化が強く、外部 SDK 導入には技術評価ハードルがある

購買仮説

なぜ買いそうか: 1. 2026 年 3 月に SpiralAI に出資した事実は、「AI + キャラクター音声」への明確な関心を示す。SpiralAI の Geppetto2 は LLM 側、音声合成側(Kotodama)の両面に関わっており、next-gen TTS との接続点がある 2. 研究開発費が 1 年で 38.7% 増の 110 億円に拡大しており、新技術採用への投資意欲が高い 3. 無双シリーズ等で武将キャラ数は 100 名規模に達しており、全キャラ多言語音声収録は費用が嵩む。zero-shot TTS で対応言語・セリフ数を爆増できる価値提案が刺さりやすい 4. 世界 TOP 10 ゲーム会社を目指すグローバル戦略において、多言語ローカライズの迅速化・コスト削減はスケール要件に直結する 5. 中国市場への正規 IP 展開(上海オフィシャルショップ開設等)を踏まえると、中国語ネイティブ品質の on-device TTS への需要が実在する

想定決裁者: - コーエーテクモゲームス エンタテインメント制作本部 フューチャーテックベース(KATANA ENGINE および先端技術研究部門)責任者 - コーエーテクモキャピタル 投資担当(スタートアップ技術評価ルートとして) - 技術部門は神奈川県横浜市(日吉本社)に集中

予算サイクル: - 決算は 3 月期。予算策定は例年 10-12 月頃と推定 - 研究開発費 110 億円のうち先端技術研究部門への配賦分に PoC 予算を確保できると見込まれる - PoC 規模:300 万〜1,000 万円、本採用移行で年間ライセンス数千万円規模(※当方推定)

アプローチ戦略

推奨アプローチ:next-gen TTS PoC で入る

piper-plus(OSS 多言語)から入ると内部評価コストが下がるが、コーエーテクモのスケール・IP 管理水準・AI 投資姿勢を踏まえると、いきなり next-gen TTS(zero-shot・キャラクター音声クローニング・多言語対応)の PoC 提案が適切。

アプローチ順序: 1. SpiralAI ルート(最有力): SpiralAI の Geppetto2 は LLM でキャラクター性を管理し、音声は Kotodama で補完する設計。SpiralAI 経由でコーエーテクモへの紹介を得ることで、既存の信頼関係を活用できる。Geppetto2 + next-gen TTS の組み合わせ提案として「IP キャラクター完全再現パッケージ」を構成する 2. CEDEC 登壇: コーエーテクモは CEDEC 2023 で基調講演(シブサワ・コウ氏)実績あり。CEDEC の技術セッションや展示エリアで担当者との接点を作る 3. TGS: 毎年出展する TGS(2025 年は 3 タイトル試遊出展)のビジネスデイに技術提案 4. 公式問い合わせ: https://www.koeitecmo.co.jp/inquiry/inquiry.html から技術提携窓口として打診

提案文面キーフレーズ案: - 「武将 100 名分の多言語ボイスを、zero-shot TTS で全収録コストゼロから展開」 - 「信長の野望・三國志の武将 AI に個性的な音声を付与し、動的 NPC 発話を実現」 - 「Geppetto2 × next-gen TTS 統合:IP キャラクターの台詞・音声を AI が一貫して管理」 - 「Unity/Unreal Engine / KATANA ENGINE 対応 SDK で組み込みゼロから」 - 「中国語・日本語・英語の 3 言語同時 on-device 推論でグローバル展開を加速」

関連プロダクト・採用事例

  • KATANA ENGINE: コーエーテクモゲームス エンタテインメント制作本部 フューチャーテックベースが開発した自社ゲームエンジン。2000 年代初頭から開発し 2010 年頃に統合制作環境化。PS5・Nintendo Switch・Steam・スマホのマルチプラットフォーム対応。研究開発費 110 億円(2025 年 3 月期)の主要投下先。CEDEC 2022 でアーキテクチャ設計について登壇(セッション「新しい発想をプロダクト化しやすくするためのゲームエンジンのデザイン」)。内製の強いこだわりがあり「エンジンがなくなれば何も開発できない会社になる」として外部エンジン依存を忌避する社風がある
  • 真・三國無双 ORIGINS(2025 年 1 月発売): 無双シリーズ最新作、Steam・PS5 対応。大量の武将キャラクター音声を搭載
  • SpiralAI「Geppetto2」: コーエーテクモキャピタルが出資。IP 特化型 LLM でキャラクター会話 AI を実現。音声合成技術「Kotodama」と組み合わせた「AI 武豊」等の実績あり
  • 歴史 SLG AI: 信長の野望・三國志シリーズで武将の個性を AI で表現するゲーム内 AI 活用の実績
  • 三國志 覇道(モバイル): 継続サービス中のスマホ SLG、定期的な音声付きイベント更新が発生

リスク・注意点

  1. 声優・権利問題: 既存キャラクターに起用済みの人気声優(真・三國無双では大物声優多数)の音声を AI で生成・クローニングする場合、声優本人・所属事務所・日本俳優連合の承諾が必要。2024 年 10 月には声優有志 26 名が「NOMORE 無断生成 AI」声明を発表しており、業界全体がセンシティブ
  2. 内製主義との摩擦: KATANA ENGINE に代表される「自前で作る」文化が強い。外部 TTS SDK をエンジン統合するには、技術評価・セキュリティ審査・ライセンス審査の複数のハードルを想定
  3. IP 管理の厳格さ: SpiralAI 投資の理由として「IP 著作権保護機能」が明示されており、オープンソース音声モデルよりも閉源・管理可能な next-gen TTS ソリューションが評価される可能性が高い(piper-plus OSS だと受け入れられにくい懸念)
  4. 中国市場コンプライアンス: 中国向け音声データ処理・保存については中国データ安全法・個人情報保護法の適用があり、on-device TTS(クラウド不使用)を訴求ポイントとするべき
  5. AI 投資撤退リスク: SpiralAI との提携は 2026 年 3 月発表と新しく、PoC 結果次第では優先度が下がる可能性あり
  6. 競合: Unity や Unreal Engine に統合された音声合成ソリューション(Unity Sentis 経由の推論等)がコスト・利便性で競合になりうる

連絡先候補

ルート 詳細
公式問い合わせ https://www.koeitecmo.co.jp/inquiry/inquiry.html(技術提携・事業提案)
IR https://www.koeitecmo.co.jp/ir/ (株主・投資家向け、関係構築後に有効)
SpiralAI 経由紹介 SpiralAI(go-spiral.ai)と接触し、コーエーテクモキャピタルへの橋渡しを依頼するルートが最有力
CEDEC 毎年 8 月開催。コーエーテクモゲームスのエンジニアが登壇・参加。技術担当者との名刺交換・PoC 打診の好機
TGS 9 月開催。ビジネスデイ(業界関係者向け)での商談
採用ページ経由の社内コンタクト https://www.koeitecmo.co.jp/recruit/ でフューチャーテックベース所属エンジニアを LinkedIn 等で特定するアプローチ
日吉本社 神奈川県横浜市港北区箕輪町 1-18-12(エンジニア本体)
KT ビル 神奈川県横浜市西区みなとみらい 4-3-6(管理・IR 本社)