株式会社コロプラ¶
1 行サマリー¶
東証プライム上場の国内大手モバイルゲーム会社(売上約259億円)。Unity主体、生成AI先行投資中だが音声/TTS活用は未確認・人間声優中心で次世代TTSの潜在需要は中程度。
事業構造と TTS 需要¶
主力事業¶
コロプラは2008年設立のモバイルゲーム専業会社で、東証プライム上場(3668)。グループ従業員約1,148名(2025年9月末)、売上高259億円(2025年9月期)。主力タイトルは『白猫プロジェクト NEW WORLD'S』『ドラゴンクエストウォーク(スクウェア・エニックスと共同開発)』『神魔狩りのツクヨミ』など。売上の約90%がエンターテインメント事業で、残り10%が投資育成事業(XR・メタバース・ブロックチェーンゲーム)。
TTS 需要の所在¶
- キャラクターボイス: 白猫プロジェクトは豪華声優陣(雨宮天、釘宮理恵ほか)が多数のキャラクターを担当。専用スタジオで大規模収録を実施しており、現状は人間声優依存が強い。
- ゲーム内ナレーション・UI音声: モバイルゲームの大規模運営では、イベントごとにナレーション更新が発生する。セリフ数が多いほどTTS活用で工数削減が見込める。
- 多言語展開: ドラゴンクエストウォークは日本国内限定だが、神魔狩りのツクヨミはSteam/iOS/Android でグローバル展開。今後の多言語タイトル追加時にローカライズ音声コストが課題になる可能性がある。
- XR/VR事業(360Channel): グループ子会社がVRメタバースサービスを展開。没入型体験にはリアルタイム音声対話型NPCの需要が将来的に発生する。
必要とされる TTS 機能: - zero-shot 声優クローン: 既存の収録声優の音色を流用しイベントセリフを低コスト生成 - 多言語対応: グローバルタイトルのローカライズ効率化 - Unity 統合: 開発環境が Unity 主体であるため、Unity SDK / Asset Store 対応が必須条件
現在の TTS 状況¶
公開情報の範囲でコロプラが TTS / 音声合成を業務採用しているという確認はとれていない(※当方推定)。生成 AI 活用の中心は画像生成 AI(Stable Diffusion 系、Stability AI パートナー)であり、ChatGPT / Gemini / Claude がテキスト系業務に使われている実態が公式ブログ・メディア記事から確認できる。
音声制作は社内サウンドデザイナーが担当し、声優収録・SE制作・BGM制作を専用スタジオで行う体制(サウンドデザイナー求人より)。TTS の導入は現時点では確認されておらず、大規模なキャラクターボイス収録を人間声優で実施しているとみられる。
置き換え障壁: 白猫プロジェクトのような長寿タイトルは既存声優との契約・ファンの期待値が高く、メインキャラへの TTS 導入は困難。一方でモブキャラ・ナレーション・チュートリアル等の補助音声や、新規 IP の PoC 用途であれば障壁は低い。
購買仮説¶
なぜ買いそうか¶
- 生成 AI 先進企業: 生成 AI 大賞 2025 グランプリ受賞(神魔狩りのツクヨミ)。社員 AI 活用率 92%、AI 導入に積極的な経営姿勢が明確。
- コスト圧力: 売上は横ばい(前年比 △0.2%)で純利益は赤字転落(-3億円、2025年9月期)。ボイス制作コスト削減ニーズは存在する。
- 多言語 / グローバル化: ツクヨミがグローバル展開しており、多言語 TTS によるローカライズ効率化に関心が向く可能性がある。
- Unity 依存度が高い: 開発スタックが Unity 主体であり、Unity SDK 対応の TTS は評価対象になりやすい。
想定決裁者¶
- CTO または技術戦略部門(生成 AI 導入の意思決定権を持つ)
- AI 推進室 / CIO(菅井健太氏。生成 AI 導入を主導していたと ITmedia 報道で確認)
- サウンドディレクター(現場での PoC 評価者)
予算サイクル¶
決算期は 9 月末(9 月期決算)。予算策定は 10〜12 月が山場とみられる。2026 年 1〜3 月頃のアプローチが翌年度予算への反映を狙えるタイミング。現在(2026 年 6 月)は今期予算執行フェーズであり、PoC 費用(数百万円規模)は技術予算から通しやすい。
アプローチ戦略¶
推奨アプローチ: 次世代 TTS (next-gen) で入る¶
- piper-plus(OSS)は社内技術者向けには訴求できるが、コロプラのゲームタイトルの音質基準(豪華声優陣とのクオリティ比較)では現状 piper の品質では差別化が困難。
- next-gen TTS(zero-shot・感情制御・多言語)でクリエイタースケール圧縮の観点から提案が刺さる。
提案切り口¶
- 新規タイトル PoC: 「神魔狩りのツクヨミのような生成 AI 活用タイトルの次回作で、キャラクターボイスも AI 生成にする実験的取り組み」として持ちかける。
- モブキャラ / ナレーション代替: 収録コスト削減として「セリフ数が多いサブキャラクターへの TTS 試験適用」で PoC 予算を取りやすい。
- 多言語ローカライズ効率化: グローバル展開タイトルへのゼロショット多言語 TTS の適用提案。
- Unity SDK の親和性: Unity 主体の開発環境に即座に統合できる点を技術評価材料として提示。
提案文面キーフレーズ案¶
- 「生成 AI 大賞グランプリを取られた御社の次の一手として、"声"の生成 AI 化もご検討いただけませんか」
- 「声優収録費用と収録スケジュールの課題を、Unity ネイティブ対応の次世代 TTS SDK で解決できます」
- 「ゼロショット多言語対応で、グローバルタイトルのローカライズコストを従来比 60〜80% 削減した事例をご紹介します」
当たる部門¶
- 第一接触: 技術ブログ・採用ページ経由でサウンドエンジニア / AI 推進担当者に LinkedIn / CEDEC 名刺交換で接触
- 次点: 公式問い合わせフォーム(事業提携窓口)から「ゲーム向け AI 音声 SDK の評価提案」として送付
関連プロダクト・採用事例¶
| タイトル | プラットフォーム | 音声規模 |
|---|---|---|
| 白猫プロジェクト NEW WORLD'S | iOS / Android | 大規模(豪華声優 8 名以上確認、90+ ボイス/キャラ) |
| ドラゴンクエストウォーク | iOS / Android | スクウェア・エニックスと共同開発、音声はIPオーナー側管理と推定 |
| 神魔狩りのツクヨミ | Steam / iOS / Android | 画像生成 AI 活用が主、音声詳細未確認 |
技術スタック: - ゲームエンジン: Unity(CEDEC 2019 登壇で Unity SRP 活用を確認) - AI: Stable Diffusion / ChatGPT / Gemini / Claude(社内ポータル連携) - 音声ミドルウェア: 記述なし(CRI ADX2 等の一般的なゲーム音声ミドルウェアを採用と推定、※当方推定) - 空間音響: 3D サウンド技術(技術ブランド PRINCIPLES で採用、サウンドデザイナーブログ記事より)
登壇録: - CEDEC 2019: 「コロプラの開発中タイトル事例 〜Unity最新技術でコンソール級のモバイルゲームを実現〜」(グラフィックス中心、音声言及なし) - CEDEC+KYUSHU 2025: 東山幸弘氏が登壇予定(テーマ詳細未確認)
リスク・注意点¶
- 声優文化と既存契約: 白猫プロジェクトは 10 年以上続く長寿タイトルで声優との契約・ファンの愛着が強い。メインキャラへの TTS 代替はファン反発リスクが高い。
- 生成 AI への慎重姿勢(一部): 神魔狩りのツクヨミの画像生成 AI 活用は賛否両論(ITmedia 2026/6 記事)。音声 AI 導入でも同様のパブリック炎上リスクを懸念する可能性がある。
- 内製主義傾向: AI 活用は「慣れておく」という観点で進めており(CIO 発言)、内製 AI 人材育成優先の方針。外部 SDK 導入の意思決定に時間がかかる可能性。
- 財務的制約: 2025 年 9 月期は純利益赤字。大規模なライセンス支出には承認ハードルが上がる可能性がある。PoC の小口提案(50〜100 万円規模)で入口を作ることが重要。
- ドラクエウォークの音声権利問題: スクウェア・エニックスとの共同開発タイトルは、音声 TTS 導入に両社の承認が必要で意思決定が複雑。アプローチ先をコロプラ単独 IP タイトルに絞るべき。
- 競合 TTS: CoeFont / A.I.VOICE for GAMES など国産ゲーム向け TTS が先行している。競合製品との差別化(品質・多言語・Unity SDK 統合度)を明確にする必要がある。
連絡先候補¶
| 経路 | 詳細 |
|---|---|
| 公式問い合わせ | https://colopl.co.jp/contact/ (事業提携フォームから) |
| ライセンス担当 | https://colopl.co.jp/contact/rights/ |
| CEDEC 2025 | 2025 年 8〜9 月(幕張メッセ)。登壇者への名刺交換・展示ブース接触 |
| CEDEC+KYUSHU 2025 | 東山幸弘氏 登壇予定。登壇後に接触 |
| サウンドディレクター / AI 推進担当者への個人接触 | |
| 採用イベント | COLOPL INNOVATION BOOTCAMP 経由のエンジニアコミュニティ接触 |