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株式会社カプコン

1 行サマリー

東証プライム上場 (9697) の大手ゲームメーカー(FY2026 売上 1,953 億円・13 期連続最高益)。モンハン・バイオ・ストリートファイターを擁し、Azure TTS / AITalk を自社タイトルで実証済み。内製エンジン RE ENGINE を軸に音声 AI の活用余地が大きく、次世代 TTS の PoC 先として有望。

事業構造と TTS 需要

カプコンは「デジタルコンテンツ」「アミューズメント機器」「アミューズメント施設」の 3 セグメントを持ち、売上の大部分をデジタルコンテンツが占める高利益率構造。FY2026(2026 年 3 月期)連結売上高は 1,953 億 6,500 万円(前期比 +15.2%)、営業利益 752 億 9,500 万円(前期比 +14.5%)と 13 期連続の増収増益・最高益を更新。「バイオハザード レクイエム」が発売 1 週間で 500 万本を達成しシリーズ史上最速。従業員数は連結 3,766 名(2025 年 3 月末)。

TTS 需要の主要ポイント:

  • ボイスナビゲーション・NPC 音声の大量生成: EXOPRIMAL (2023) において「数万ボイスを数時間で生成」するユースケースを実証。ゲーム内の状況説明・チュートリアル・NPC 誘導音声を AI 合成で賄うニーズが顕在化している。
  • 多言語ローカライズ音声: 販売本数の 83% 超が海外向け(220 超の国・地域)。日英・欧州諸語・アジア多言語に対応した TTS があれば、声優収録コストを大幅に圧縮できる。
  • zero-shot / voice clone ニーズ: 既存キャラクターボイスを学習させてカスタムニューラル音声を量産する手法を既に試みており、zero-shot multi-speaker TTS への技術的な親和性が高い。
  • インタラクティブ音声 / 動的ミキシング: 動的大量音声の実行時制御(CEDEC 2023 セッション)を自社開発しており、オンデバイス TTS または低遅延 API 型 TTS との統合ユースケースが想定される。
  • 開発ツール内 TTS: 社内説明資料のナレーション用に Voice Space を 2024 年 12 月に導入済み。開発ワークフロー内での音声確認・プロトタイピング用途でも需要が発生しやすい。

現在の TTS 状況

ユースケース 採用技術 / ベンダー 導入時期
ゲーム内 AI 合成音声 (EXOPRIMAL) Microsoft Azure Text To Speech (カスタムニューラル音声含む) 2023 年
VR アーケードゲーム仮ナレーション (特撮体感VR 大怪獣カプドン) AITalk (株式会社エーアイ) ※「せいじ」キャラクター使用 非公開 (2022 年頃推定)
社内資料ナレーション Voice Space (Stand Technologies) 2024 年 12 月
生成 AI 全般 (アイデア支援) Google Cloud Vertex AI / Gemini Pro / Gemini Flash / Imagen 2024 年〜試験運用

置き換え障壁の評価: - Azure TTS は実績ありだが「ゲームに AI 生成資産を実装しない」公式方針(FY26 Q&A, 2026 年 3 月)により、最終製品への AI 音声実装は現時点で抑制される見通し。ただし「開発効率化用途 (ルーティン業務)」は積極利用方針を明言しており、ここが訴求ポイント。 - AITalk の採用実績は予算制約プロジェクト向けの小規模導入であり、開発内部の仮音声用途での TTS 活用に対してポジティブな文化が社内に存在する証左。 - Voice Space はナレーション専用の限定導入。品質・多言語対応・オンデバイス展開で優位性を示せれば差し替え余地あり。 - RE ENGINE / REX Engine はフルスクラッチ内製エンジンであり、外部 SDK との統合は開発チームの判断次第。Unity/Godot 向け SDK は直接適用外だが、C++ / REST API での統合は技術的に可能。

※上記「現在の TTS 状況」のベンダー情報は公開発表ベースであり、当方推定を含む。

購買仮説

なぜ買いそうか:

  1. EXOPRIMAL の Azure TTS 導入実績により、AI 合成音声の価値を社内で認識・共有済み。次世代タイトルでの拡大導入の意欲は高い。
  2. Google Cloud を新技術試験基盤として活用しており、新規 AI ベンダー評価サイクルが存在する。
  3. REX Engine (次世代) への移行で新アーキテクチャへの音声スタック再構築が発生する可能性。
  4. 海外比率 80%超のグローバル展開には多言語・zero-shot TTS が不可欠。

想定決裁者: - CS 第二開発統括 システム基盤部 (テクニカルディレクター / 副室長クラス) ← Google Cloud 事例の実績窓口 - サウンドプログラム部門 (EXOPRIMAL TTS 導入責任者) - テクノロジー & リサーチ部門 (社内 AI ツール全般の評価)

予算サイクル: 3 月決算。翌年度予算は 10〜12 月頃に社内議論が始まると推定(※当方推定)。PoC 提案は 7〜9 月の業界イベント (CEDEC / TGS) 接触が最適タイミング。

推定 PoC 予算: 300 万〜1,500 万円(導入タイトル規模・多言語数に依存)。大型 AAA タイトル (モンハン相当) のフルローカライズ音声置換なら 1,000 万円超の可能性 ※当方推定。

アプローチ戦略

フェーズ 1: 開発ワークフロー効率化 PoC (3〜6 ヶ月)

「ゲームに AI 生成資産を実装しない」方針を逆手に取り、最終製品向けではなく開発内部の音声確認・プロトタイピング効率化として切り出す。既存 Voice Space 導入の延長として、より高品質・多言語対応の TTS を提案。

フェーズ 2: カスタムニューラル音声 × 次世代 TTS 移行提案

EXOPRIMAL で実証したカスタムニューラル音声の手法を、zero-shot / few-shot 対応の次世代 TTS で大幅に高品質化・低コスト化できることを技術デモで提示。REX Engine 向けサウンドスタックへの統合検討を促す。

提案文面キーフレーズ案: - 「EXOPRIMAL での Azure TTS 活用を拝見し、zero-shot 多言語対応 TTS でさらにワークフローコストを削減できる提案があります」 - 「開発段階のボイスプロトタイピング用途として、声優収録前の仮音声を高品質 AI 音声に置換するトライアルを提案したい」 - 「REX Engine 移行に合わせ、多言語ボイスナビゲーション生成の新アーキテクチャを共同検討させてほしい」

訴求先部門: サウンドプログラム部門 → システム基盤部 (AI ツール評価) の順に打診するのが現実的。

関連プロダクト・採用事例

  • EXOPRIMAL (2023): Azure TTS カスタムニューラル音声を採用。約 1,300 ライン・44,440 ワードで学習し、数万ボイスを数時間で生成。CEDEC 2023 にて手法を公開発表(サウンドディレクター・デザイナー・プログラマーが登壇)。
  • モンスターハンターワイルズ (2025): AI が音情報含む画面情報をもとに自動プレイするシステムを実装 (CEDEC 2025 発表)。音声認識・音響イベント検出技術を統合。
  • Google Cloud Vertex AI 活用 (2024〜): アイデア出し支援ツールを Gemini + Imagen で構築。AI への投資姿勢が積極的。
  • CAP'STONE (サウンド専門採用ブランド): コンポーザー・サウンドデザイナー・サウンドエンジニア・サウンドプログラマー向け専用採用サイトを運営。サウンドエンジン研究開発職も設置。
  • CEDEC 2025 登壇: モンスターハンターワイルズ技術 (自動プレイ AI)、AAAタイトルを支えるスケーラブル基盤 (TiDB 活用) 等複数セッション。
  • 技術スタック: RE ENGINE (C# / REVM プロセス仮想マシン)、次世代 REX Engine 開発中。クラウドは Google Cloud 主体、Azure も併用。

リスク・注意点

  1. 「最終製品への AI 生成資産不採用」公式方針 (2026 年 3 月): IR Q&A で明言。ゲーム本編ボイスへの TTS 組み込みは当面ハードルが高い。訴求は「開発ワークフロー効率化」「プロトタイピング」「内部ツール」に限定する戦略が必須。
  2. 内製エンジン RE ENGINE / REX: Unity/Godot SDK は直接使用不可。C++ ネイティブ統合または REST API 連携での提案が必要。技術的な統合コストが発生する。
  3. Azure との既存関係: EXOPRIMAL での Azure TTS 採用実績があり、Microsoft との関係が先行している。差別化は品質・多言語・オンデバイス・コストの点で行う必要がある。
  4. Capcom の声優・IP ブランド管理: バイオ・モンハン等の人気キャラクターは声優ブランドが強固。AI 音声への変更に声優サイドからの反発リスクあり。
  5. Google Cloud 依存: 生成 AI 全般は Google Cloud に集約傾向。他クラウドのサービスを採用する場合、ベンダー多様化の論理が必要。
  6. 大阪本社・日本企業文化: 初回接触は CEDEC/TGS 等業界イベントか書面提案が慣例。飛び込み営業・LinkedIn ダイレクトは機能しにくい。

連絡先候補

窓口 詳細 備考
公式問い合わせ (法人向け) 書面にてカプコン本社宛 (大阪市中央区内平野町3-1-3) 営業・提案案件の正式ルート
IR / 報道・投資家窓口 株式会社オズマピーアール TEL: 06-6202-2600 / FAX: 06-6205-9801 (10〜17 時、平日) 教育・投資家・報道向け
IR メール配信登録 https://www.capcom.co.jp/ir/english/irmail.html 情報収集・関係構築用
代表電話 06-6920-3600 (9〜17:30、平日) 担当部署への取り次ぎ
CEDEC (例年 8〜9 月、横浜) カプコンは毎年複数セッション登壇 サウンド・AI・エンジン技術者との直接接触機会
TGS (例年 9 月、幕張) カプコンは毎年大規模出展 ビジネスデー (B2B) での商談アプローチ
GDC (例年 3 月、サンフランシスコ) カプコン社長・開発幹部が登壇実績あり 海外展開中の幹部との接点
LinkedIn 個人ベースでの技術者リサーチ (サウンドプログラマー / RE ENGINE 開発者) 直接 DM よりイベント接点後のフォローアップ推奨