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株式会社モルフォAIソリューションズ (親: 株式会社モルフォ)

1 行サマリー

社会インフラ向け画像AI事業化子会社。AIカメラ「Duranta」とAI-OCR「FROG」を軸に展開し、2026年4月に親会社モルフォへ吸収合併。

ビジネスモデル

親会社・株式会社モルフォ(東証グロース 3653)が20年超にわたって蓄積した画像処理IP(特許160件超)を事業化する専担子会社として、2019年12月に設立された。収益モデルはエンタープライズ向けの年間ライセンス・導入SI・ハードウェア販売の組み合わせであり、行政・電力・鉄道・製造業などの社会インフラ顧客を主な対象とする。

プロダクトは大きく「AIカメラ (Duranta)」と「AI-OCR (FROG)」の二本柱。Durantaは転倒検知・人流分析・アナログメーター自動読み取りなどの機能をエッジ処理で提供するSaaS型サービスで、i-PROやルネサスとのパートナー連携でカメラベンダー経由の販路も持つ。FROG AI-OCRは国立国会図書館のOCR開発実績をベースに旧字・崩し字を含む97%精度の文書解析を提供し、SaaSとして研究機関・自治体向けに展開した。

2024年以降は生成AI(LLM)との融合に舵を切り、Duranta with LLMやAIエージェント作成支援などマルチモーダル方向へ拡張。しかし2026年4月1日付で親会社に吸収合併されることが決定(2026年1月適時開示)、子会社としての事業体は消滅し、機能・人員は親会社に統合される。

売上・利益・財務ハイライト

モルフォAIソリューションズ単体の財務数値は非公開(未上場子会社のため単独有報なし)。

親会社・株式会社モルフォの連結業績(参考値)は以下の通り(IRbank 2026年1月提出の有価証券報告書より)。

年度 売上高 営業利益 純利益(親株主帰属)
2023年10月期 約23.8億円 ▲24.4億円 ▲3.0億円
2024年10月期 約33.0億円 約2.6億円 約3.0億円
2025年10月期 約33.6億円 約0.45億円 ▲0.77億円

2026年10月期は売上高30億円・営業損失3.5億円の見通し(同期修正予想)。

モルフォAIソリューションズ単独の業績寄与については、2023年12月期ITV記事にて「Q4単体においてモルフォAIソリューションズの売上が貢献し、Q3比+17%の増収」と言及されており、国内エンタープライズSI事業として親会社連結の一定割合を担っていたとみられるが、具体的な金額は非公開。資本金は1億円(gBizINFO)。

※なお上記親会社連結数値はモルフォAIソリューションズ単体を示すものではなく、参考値として掲示。当方推定なし。

沿革・撤退事業

主要イベント
2004年5月 親会社・株式会社モルフォ、東京都港区南青山に設立
2011年7月 モルフォ、東証マザーズ上場 (コード: 3653)
2019年12月 株式会社モルフォAIソリューションズ設立 (資本金1億円、代表: 古川祐督)
2021年 代表取締役に神田武が就任
2021年5月 国立国会図書館からOCR処理プログラム研究開発を受託
2022年4月 親会社モルフォが千代田区神田錦町に本社移転、同住所に同居
2022年6月 FROG AI-OCR(近代書籍対応)を一般販売開始
2022年9月 i-PROと提携、Duranta をi-PROカメラ向けに展開
2023年 Duranta fall detection パッケージを複数の施設・公共機関へ導入
2024年4月 Durantaアナログメーター遠隔監視サービス開始(デジタル庁案件を商用化)
2024年7月 国立情報学研究所から学術論文向けAI-OCR開発を受託
2025年4月 NexTech Week 2025出展、Duranta with LLMとAIエージェント支援を発表
2025年9月 親会社取締役会が吸収合併を決議(存続会社: 株式会社モルフォ)
2025年11月 合併キャンセル(一時的撤回)
2026年1月 合併法定事前開示書類を再提出(日経適時開示)
2026年3月 Durantaサービス終了告知
2026年4月 親会社モルフォへの吸収合併完了、法人解散

撤退・休止事業: Duranta(AIカメラSaaS) ─ 2026年3月にサービス終了告知。合併に伴い機能自体は親会社に移管される見通しだが、同ブランドでの独立したサービス提供は終了。

主要メンバー

役職 氏名
代表取締役 神田武
取締役(参考: 創業期代表) 古川祐督

※モルフォAIソリューションズの取締役・役員は非公表部分が多い。ウォンテッドリー等の求人情報では少人数体制(従業員9名)が確認される。CTO等の個別役職は公式には公表されていない。

ピッチ・資金調達履歴

モルフォAIソリューションズは親会社の100%子会社として設立されており、独立した外部資金調達(VC出資・シリーズラウンド等)の実績は確認されていない。親会社モルフォのIPO(2011年東証マザーズ)以降、グループとして資本市場から調達する体制であり、子会社単独での調達記録はない。

ICC・IVS・B Dashなどスタートアップカンファレンスへの登壇記録も公式には確認できていない。ただし日本経済新聞社主催「企業の経営変革を生み出す戦略的AI実践とは」に2024年2月登壇、住友商事グループInsight Edgeとの共同セミナーを2024年3月開催している(B2Bセミナー系)。

関連プロダクト

プロダクト名 説明
みまもりAI: Duranta カメラ映像から転倒・白杖・車いす・侵入・滞留を検知するエッジAIカメラソリューション。i-PROカメラと連携、施設・交通・工場向け
Duranta アナログメーター遠隔監視 カメラ越しにアナログ計器を自動読み取り・分析するサービス。デジタル庁案件から商用化(2024年4月〜)
Duranta with LLM カメラ映像の状況をLLMで言語化・可視化する分析サービス。オンプレミス対応(2025年〜)
FROG AI-OCR 国立国会図書館OCRをベースにした高精度AI-OCR。旧字・崩し字対応、精度97%。SaaS形式
AIエージェント作成支援サービス 対話型AIを基盤に業務自動化AIエージェントを構築支援。予約受付・スケジュール調整などに対応
日本語データセット生成サービス AI-OCRで文書画像からテキストを生成し、LLM学習向け日本語コーパスを構築するサービス

uPiper との位置関係

判定: 無関係(ドメイン完全非重複)

uPiper(StyleTTS2/Kokoro系の日本語特化軽量TTS + Unity SDK、モバイルオンデバイス推論)と、モルフォAIソリューションズは事業領域が全く重なっていない。モルフォAIソリューションズのコアは「画像処理・コンピュータビジョン・OCR」であり、音声合成・音声出力・キャラクターボイス・TTS技術は一切保有しておらず、音声領域への参入実績もない。ターゲット顧客も異なり、モルフォAIソリューションズは大手SIer・官公庁・インフラ企業をB2Bで相手にするのに対し、uPiperはゲームデベロッパーやモバイルアプリ開発者向けの軽量ランタイムSDKを提供するlifestyle business形態である。競合でも補完でもなく、接点は存在しない。強いていえば、両者ともに「エッジ/オンデバイス推論」という技術トレンドへの志向性は共通しているが、推論対象(画像 vs 音声)が根本的に異なるため、差別化フックとして機能する局面もない。